V&Vの使い方

今回は、ウォーターフォールモデル開発でV&Vをどのように使えばよいかを具体的に説明します。V&Vとは、Verification&Validationの頭文字をとった用語で、日本語では「検証と妥当性確認」という意味です。V&Vの詳細は、過去のブログを参照してください。

想定するV字モデル

想定するウォーターフォールモデルを、以下に示します。ここではV字モデルで表現しています。 設計からコーディングまでの左側の工程では、必ず各工程でレビューをしていることに注意してください。今回ご説明するのは、このレビューでのV&Vの使い方です。

V 字モデル(例)
想定するV字モデル

詳細設計工程での適用方法

詳細設計工程を取り上げて、V&Vの適用方法を説明します。詳細設計工程は、前工程の成果物である機能設計仕様書を入力して、詳細設計を実施し、詳細設計仕様書を出力します。この詳細設計仕様書をV&Vの考え方でレビューすると、以下のようなレビュー観点になります。ここで必要な成果物は、レビュー対象である詳細設計仕様書、確認元となる機能設計仕様書と要件(いずれも図に水色で表示しています)の3つです。

Verification(検証) のレビュー観点

  • 入力物(機能設計仕様書)から、出力物(詳細設計仕様書)へ、設計内容が正しく変換されているか?
    1. 入力物に記載されていることが、出力物へもれなく詳細化されて記載されているか
    2. 入力物に記載されていないことが、出力物に(勝手に)追加されていないか

Validation(妥当性確認) のレビュー観点

  • 詳細設計仕様書で設計している内容は、要件と合致しているか

実物を開いて確認するのがポイント

Verification(検証)の観点もValidation(妥当性確認)の観点も、非常に重要です。どちらの観点でも、関係する2つの仕様書を並べて実際に開いて、見比べながら確認していくことをお薦めします。なぜなら、入力物を頭の中で想像しながらレビューすると、思い込みでできていることになってしまうからです。勘違いや誤解でバグを見逃すことは、実際かなりあるのです。

Verification(検証) の 確認方法

Verification(検証)の観点では、入力物(機能設計仕様書)と出力物(詳細設計仕様書)を並べて、関連するページを開いて、指差し確認してみてください。必ず1つや2つの設計の抜け漏れ、余計な設計の追加が見つかるはずです。

Validation(妥当性確認) の確認方法

詳細設計段階では、Validation(妥当性確認)は現実的には難しくなります。詳細設計は、内部実装の設計になりますので、要件と直接一致しなくなるからです。それでも、可能な限り、要件と合致しているかを確認することをお薦めします。

さいごに

上記のV&Vのレビュー視点は、どの工程においても考え方は同じです。ぜひ試してみてください。効果に驚くはずです。

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