なぜなぜ分析のコツ

ソフトウェア開発に関わっていれば、バグのなぜなぜ分析に取り組んだ経験のある方は多いと思います。おそらく、それは悩んだ経験ではないでしょうか。というのも、なぜなぜ分析は難しいからです。なかでも、どこまでいったら真の原因なのか?が最も頭を悩ませる問題だと思います。

トヨタ式「なぜを5回」とは

なぜなぜ分析の元祖、トヨタ生産方式では、なぜなぜ分析を以下のように説明しています。

トヨタ式「なぜを5回」とは、 5回の「なぜ」を繰り返すことにより、ものごとの因果関係やその裏にひそむ本当の原因を突き止める、科学的アプローチである。データは重視しているが、「事実」を一番重視している。

出典:「トヨタ生産方式」 ダイヤモンド社 1978年発行 大野耐一著
なぜなぜ分析の分析例
トヨタ式「なぜを5回」の分析例

事実の重視

トヨタ生産方式で説明しているように、「事実」の重視は、なぜなぜ分析において最も注意すべき点です。私たちは、しばしば思いこみでなぜなぜ分析をしてしまいます。きっとこうだったに違いない、と考えて、事実を確認せずになぜなぜ分析を進めてしまうのです。

事実を確認しないとどうなるか

事実を確認しなかった例としては、仕様書を書いていないわけがないから、きっと仕様書作成中に思い込みで誤ったことを書いたに違いない、となぜなぜ分析を進めてしまった事例があります。このときは、書いているはずの仕様書が、実は存在しなかった、仕様書そのものを作っていなかったというのが事実でした。そうなると、思い込みでミスしたのではなく、仕様書を書いていないことが問題になります。この場合は、そもそも仕様書を書いていないのはなぜ?と、真の原因は全く異なるところにたどり着きます。

問題には複数の原因が存在する

「問題には複数の原因が存在する」ということも、注意すべき点です。真の原因というと、一つしかないと考えがちですが、そうではありません。ほとんどの問題は、複数の原因が重なって発生しています。単純な問題は、その場で見つけて是正することのほうが多いのです。ですから、一つの原因だけ追いかけるのでなく、複数の原因を考えるべきです。バグ分析では、まずは技術的要因とマネジメント的要因の2種類を想定すればよいと思います。

真の原因かどうかの判断方法

どこまでいったら真の原因か?という問題は、非常に判断が難しいです。一つの目安は、なぜなぜ分析の目的である解決したい課題に対して、たどりついた真の原因を使って、納得できる具体的な対策を立案できるかどうかです。具体的な対策とは、対策内容が建設的で、対策の実施範囲が明確であることをいいます。しかも、その対策によって、課題が解決できると自分で納得できるようなものである場合です。そのような具体的な対策が立てられるような原因にたどり着いていたら、真の原因と考えてよいと思います。

バグのなぜなぜ分析のコツ

以上をまとめると、バグのなぜなぜ分析のコツは次の3点になります。

  1. 事実(現地・現物・現実)を確認する
  2. 問題には複数の原因が存在することを念頭に置き、技術的要因とマネジメント的要因の両面から分析する
  3. なぜなぜ分析で解決したい課題に対して、納得できる具体的な対策を立案できる原因にたどり着いたら、真の原因と判断してよい

さいごに

バグのなぜなぜ分析は、高度なスキルが要求される技術です。お悩みごとやご質問などは、ぜひお気軽にこちらへご相談ください(お金はかかりません)。お待ちしています。

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