お勧めのレビュー方法のご紹介

今回は、お勧めのレビュー方法を具体的に解説します。ソフトウェアの領域や特性にかかわらず適用できます。また、レビューチェックリストなどの事前準備も不要です。それでもかなり効果を発揮すると思います。ぜひお試しください。

お勧めのレビュー方法とは

今回ご紹介するのは、レビューの方法(前々回)で解説した「チームレビュー」と、レビューのリーディング方法(前回)で解説したPBR(パースペクティブ・ベースド・リーディング)を組み合わせた方法です。

チームレビューは、チームで実施するレビュー方法で、インスペクションほど公式でなく、「軽インスペクション」とも呼ばれる方法です。PBR(パースペクティブ・ベースド・リーディング)は、レビューアに特定の視点を割り当てて読むリーディング技法です。

想定するチームレビューの参加者

チームレビューの参加者は、5人を想定します。各参加者の役割は以下の通りです。レビューアの3つの視点は、必ず入れたほうがよいので省略しないでください。一人で複数の視点を兼ねるのはお勧めしません。したがって最低3人のレビューアを準備してください。

チームレビューの参加者と役割
チームレビューの参加者と役割

レビューアによるレビュー方法

レビューア①~③のレビューのポイントを以下の表に挙げます。各レビューアは、割り当てられた視点からそれることなく、常に視点を定めて読んでいきます。視点を定めて読むことにより、レビュー対象物を体系的にチェックすることができます。PBRでお勧めの視点は表に挙げた設計者の視点、テスターの視点、顧客の視点の3つですが、これに加えてレビュー対象の特性に合わせて必要な視点を追加すると、さらに効果がでると思います。

レビュー視点ごとの読み方
レビュー視点ごとの読み方

チームレビューの手順

チームレビューの手順は、以下の通りです。No.3の「レビューアによる事前レビュー」は、上記の表の「レビュー視点ごとの読み方」を適用してください。

チームレビューの手順
チームレビューの手順

さいごに

今回紹介した方法は、レビューをしたいけれどレビュー方法がわからなくて困っている方や、高スキル者がいなくてレビューできないという現場では、効果を発揮すると思います。単に集まってアドホックにレビューするよりも、ずっと効率的にレビューできます。効果が上がったら、ぜひその成果内容を教えてくださいね。

1 Comment

  1. […] V&Vの意味は理解していただけたでしょうか、V&Vの2つの視点は、レビューなどでの重要な確認視点となります。この2つの視点でソフトウェア開発の成果物の正しさを確認することが、品質のよいソフトウェア開発につながるはずです。 […]

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