今回は、「ソフトウェア品質知識体系ガイド: SQuBOK Guide (通称、SQuBOK ) 」をご紹介します。
SQuBOK V3とは
SQuBOKは、ソフトウェア品質に関する膨大な知識や技術を知識体系として整理し、簡潔に説明した書籍です。第1版は2007年、第2版は2014年に発行され、今回で3回目の改訂です。今回発売する「 ソフトウェア品質知識体系ガイド(第3版): SQuBOK Guide V3 (通称、SQuBOK V3)」は、AIやIoTなどの最新の技術を含めて解説しているのが、大きな特徴です。それを可能にしているのが、執筆を担当するSQuBOK 策定部会の多数の多彩なメンバーです。私(誉田)は、SQuBOK V3の監修チーム3人の一人として、飯泉紀子氏(日立ハイテク)、鷲崎弘宜先生(早稲田大学)とともに、執筆および監修にあたりました。
SQuBOK V3の章構成
SQuBOK V3の章構成は、以下の通りです。
- ソフトウェア品質の基本概念
- ソフトウェア品質マネジメント
- ソフトウェア品質技術
- 専門的なソフトウェア品質の概念と技術
- ソフトウェア品質の応用領域
第1章は、品質の基本概念を正面から解説しています。2章と3章は、従来からのソフトウェア品質に関わるマネジメント技術と開発技術を解説しています。第4章では、最近重要視されている4つの特性、ユーザビリティ、セーフティ、セキュリティ、プライバシーを取り上げて、その概念と技術を解説しています。第5章では、AI(人工知能)、IoT、アジャイル開発とDevOps、クラウドサービス、オープンソースソフトウェア利活用の5つを取り上げて、その品質の概念と技術を説明しています。
SQuBOK V3 をお薦めする理由
今回のSQuBOK V3の売りは、なんといっても第5章でしょう。第5章で取り上げているどの技術も、難易度が高く理解するのが大変ですが、それを各領域の専門家が分かりやすく説明しています。直接これらの技術に関与する機会はなくても、ITの世界で生きていくには、これら最新技術の動向と品質確保の難しさのポイントを知識として知っておく必要があります。
SQuBOK 1冊あれば、ソフトウェア品質に関わることはすべてわかります。本が厚いので最初から読むのは大変かもしれませんが、この用語はどういう意味かな?と辞書のように使うと、とても使い勝手が良いと思います。ぜひお薦めします。